埋設管路が損傷すると、内部の排水処理能力が低下します。
雨水排水管路ならば、降雨時に処理能力の低下した排水管に大量の雨水が埋設管路に流入すると、オーバーフローを起こし、マンホールから排水が流出します。
公共下水の設計耐久年数は50年となっていますが、排水の水質(薬品仕様、温度等)、土壌の状況(沈下等)により、耐久年数は必ずしも保証されるものではありません。
埋設管路が損傷し破断が起こると、内部に土砂や水が侵入します。
通常の排水とともに排出された土砂や水が、仮に汚染されたものであると、近隣に悪影響を及ぼすリスクが生じます。
アスファルト舗装は、表面のアスファルト層の下に砕石(数ミリ~十数ミリの石の粒)の層を数十センチ設置しています。長年の使用で表面のアスファルト層に亀裂等が入ると、そこから雨水などが侵入します。侵入した雨水などが砕石の層を流れるときに、小さな石の粒を洗い流してしまいます。
時間とともに水の通り道が拡大し、砕石層の空隙が大きくなると、地盤が不安定になります。アスファルト層の表面に亀甲状のひび割れが見られるときは、この状態になっています。 その影響が砕石層の下の土壌層にまで及ぶと、最悪の事態として舗装の陥没が起こります。
埋設管路のつなぎ目部分やマンホールとのつなぎ目部分は損傷しやすい部分です。長年の荷重や地盤沈下などによる地盤のズレによってつなぎ目に隙間ができることがあります。
埋設管路付近に樹木があると、その根が隙間から侵入します。たくましい生命力によって、管の内部いっぱいに根を広げると、水流の妨げになります。大雨の時にマンホールから水が吹き上げる原因の一つとして考えられます。