不等沈下によるアスファルト舗装の破損
不等沈下とは、地盤が均一に沈下せずに部分的に沈下することを指します。もとは不同沈下という表現のようですが、不等沈下の方がなじみがあるかもしれません。不等沈下は、アスファルト舗装の破損原因の一つにあげられます。
<なぜ不等沈下が起こるのか>
①元の地盤が軟弱地盤の場合
元の地盤が軟弱な場合、セメントなどを使って、地盤改良(支持力を上げる)する必要があります。これを怠ると、いくら高品質のアスファルト舗装を施工しても、いずれ不等沈下が起こります。
②盛り土の転圧不足
地盤に盛り土をして高さを上げる場合、ローラなどを使って締め固め、盛り土の密度を高めます(転圧)。これが不十分(締固め不足、転圧不足)ですと、不等沈下が起こります。
③地下水の変化
地中に地下水がある場合、これの変化によっては、不等沈下を起こします。地下水の水位が下がれば、その分空隙ができ、それが不等沈下の原因となります。海や川が近い現場などでは、地下水を意識する必要があります。
④構造物の影響
マンホール、擁壁等の構造物周辺部は、施工の際に転圧不足になりがちです。これが不等沈下の原因になることがあります。不等沈下が起こると、雨上がりに水たまりができたり、亀甲状のひび割れが起こったりします。こうなるとオーバーレイによる補修ではなく、打ち換えによる補修が必要となります。